まるで海外のIT企業のようにスタイリッシュな、2018年に誕生した新社屋。
応接室にはさまざまなデバイスが並び、ハイテクなプレゼンテーションが見て取れます。
伊勢市でITコンサルティングを手がけ躍進中の『コムデック』。
近年話題の“クラウドサービス”に2015年から着目し、使いこなし術には定評があります。
クラウドサービスって何? ICTで仕事はどう変わる?
実際に見て聞いて体感できる講演会を、三重県の中小企業経営者を対象に開催します。
クラウドサービスを利用する企業の割合は約57%(平成30年度総務省「通信利用動向調査」より)。
手軽に導入できる一方で、種類や機能が膨大で頭を抱える担当者が多いのも実情です。
この機会に日頃の疑問を解決しませんか?
講演に先がけ本事業用Webサイトでは、『コムデック』の取り組みをご紹介。お手持ちのスマホを活用した今すぐ使えるアイデア&ツールも満載です。
当日の講演内容とは若干異なりますが、講演をより深く理解するための予備資料としてお役立て下さい。
講演者PROFILE
生田智之
株式会社コムデック 専務取締役
2008年コムデック入社。地域企業の業務管理システムの開発、プロジェクトマネジメントに取り組むと共に、地域で必要とされるITを研究。地域企業向けのITコンサルティングを通じて、各社の業務効率化、業務付加価値向上を実現するクラウドサービスの導入と定着支援を行っている。
株式会社コムデック
創業/1997年
社員数/14人
三重県伊勢市小木町484-1
システム開発会社が打ち出した“システム開発をしない”業務改善提案。Evernoteなどのクラウドサービスを活用し、社内情報に“どこからでもアクセス”。あらゆる情報をクラウド上で管理することで、ビジネスの効率をアップさせる。
管理者が現場を詳細に知ることができるほか、外注への発注もスムーズに。社内の働き方改革も前進する。
クラウドサービスは安価に導入できる一方で、多様で多機能。顧客により良い提案ができるよう、同社はあらゆるサービスを使いこなし網羅している。
1997年 | 創業 PC・サーバー導入ほかソフトウェア開発を主な事業として創業。 |
2013年 | 伊勢神宮式年遷宮 伊勢市が空前の好景気に沸き、同社は最高売上を達成。 |
2014年 | Microsoft Windows XPのサポートが終了 買い換え需要が一気になくなり、事業は低迷。同年Microsoft Officeがクラウド化をしたのを機に各種クラウドサービスを使いはじめる |
2015年 | 自社でEvernoteを本格採用 |
2016年 | 各地でEvernote活用塾を開講。クラウドサービス導入のコンサルティングを開始
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2018年 | 新社屋が完成。主催事業「IT活用戦略セミナー」を開催 (会場/三重県営サンアリーナ)基調講演/澤円氏(日本マイクロソフト株式会社テクノロジーセンター) そのほか長島淳治氏(船井総合研究所)、江尻高宏氏(株式会社シンカ)を招聘 | 2019年 |
主催事業「IT活用戦略セミナー」を開催 (会場/三重県営サンアリーナ)基調講演/澤円氏(日本マイクロソフト株式会社テクノロジーセンター) そのほか長島淳治氏(船井総合研究所)、江尻高宏氏(株式会社シンカ)を招聘 |
お話/専務取締役 生田智之さん
弊社の事業が低迷したのはMicrosoft XPのサポートが終了した2014年頃です。PCの買い替え需要が一気に消失してしまいました。“物の価値は急速に色褪せる、この傾向は一層顕著になりそうだ”と危機感を抱きました。
一方システム事業も暗礁に乗り上げていました。当時の事業内容はシステムのオートクチュールとも言える、オンリーワンのシステム構築。依頼を受け、打ち合わせを重ね、設計書を書き、修正…etc.それで話がまとまるかと思えば、頓挫したり立ち消えたり。そんな頃に、ちょうどクラウドサービスが目に留まりました。自社で本格的に運用しはじめたのがEvernoteです。
手始めに 【1】社内の報連相、【2】外出先で見たいWord・Excel・PDF、 【1】【2】をクラウド上にUPすることに。皆が使い始めてしばらくすると、面白さが見て取れました。
スマホを開けば情報が最新に更新されている。血液のように情報が循環している。“もはや出勤する必要がないのでは?”と思ったほどです。それからはEvernoteを極め、他のクラウドサービスも活用し、自社に合った運用をしています。
昔は3ヵ月もかかっていたシステムの提案が、今や1時間後には新システムをアプリで試していただけるように。この成功体験を広くお伝えしています。
何より最新のスマホやタブレットを“シュッ”と使いこなすのは楽しくてカッコイイ! 利用者がご年配であるほど「すごい!」とワイワイ囲まれ人気者になれます。僕はこれを『天岩戸作戦』と名付け、伊勢のスマホ普及に励んでいます。
社員は納品先に着く度に写真を撮ってUPします。すると【1】いつ/どこで/誰が/といった情報が写真から読み取れ、社員同士でリアルタイム共有できます。【2】「納品物を間違えていますよ」「そこにいるなら○○もお願い」など即時に連絡ができます。
それにより、クレームが減るかもしれません。業務が速く片付くかもしれません。もしも1日の終わりに日報を書いて提出していたら、納品ミスを社長が知るのは何日後になるでしょう? このようにクラウドを活用すれば、会社の状況を速く広く見渡せるようになります。弊社では事業部ごとに抱えていた問題が共有化され、改善が進みました。
“うちは既にIT化している。Excelで管理している”という話をよく聞きます。だけど「まだExcelに頼ってるんですか?」と僕だったら驚いちゃう。もう時代は令和になったのに平成時代のツールで闘うなんて、ソロバンで 闘っているようなもの……。とは言え多くの中小企業は今もExcelでの情報管理、電話での連絡を軸に仕事が回っていると見ています。
Excelの問題点は
【1】スマホに適した画面ではない
【2】 新旧の情報が1つのファイル内に混在している
【3】最新の書き換え箇所が一目で分からない。
そして電話の問題点は、通話者の2人以外は情報を活用できないところ。そこで弊社はExcelを廃止しました! 通話は顧客ごとにデータをまとめる『おもてなし電話シンカCTI』というツールで管理しています。社員同士の連絡にはチャットを活用。「記憶よりも記録!」を社内のスローガンとし、情報の“見える化”を進めています。
脱Excel後の一手はICTが良いのか、それともIoTか。それは業種によって異なります。詳しくは講演会でお話したいと思います。
社員同士の連絡/社員と顧客の連絡/個々の活動/などがデータ化されるとチーム仕事が一層スムーズに進行できるようになります。一番のメリットは多様な人材(新人・パートタイマー・外注など)が参加できるようになること。
社員の負荷を分離する=働き方改革です。データ化によって現在進行中の仕事は傾向が見えるようになり(深化)、業務負荷が軽くなった会社は新しいチャレンジができるようになります(探索)
一方で不便も発生するはず。それは「あのデータはどこだっけ?」問題。特にクラウドサービスは次々と新しいサービスが台頭しており、気軽にダウンロードできる一方で使いこなすのが難しい。パソコンの中で化石状態になっているシステムは、誰でも経験があるずです。
データ経営はITリテラシーの中でもセカンドステージ。「いきなり改善!」と鼻息荒い経営者の方には、こうお伝えすることがあります、「今のあなたはITスキル5点! いきなり70点を望んでも無理!!」。まず1年程度をかけ、チャット、紙資料のデータ化、業務の置き換えなどを検討されてはいかがでしょう。
オススメは“1社に1人IT担当”。何も特別なスキルの持ち主である必要はありません。社外には伴走しながらIT担当者を育成する、弊社のような会社もありますので。システムは完成した瞬間がスタート。便利なツールを使いこなし、“フォーエバー改善”を合言葉に仕事を磨き込みましょう!
専務のスローガンは「毎日変化」。 “昨日よりも成長すること”を自身のモットーとしていて、社員にも同様に変化を求めています。社員のセミナー参加は交通費の奨励金が出るので、制度を活用して色んなセミナーに参加しています。新しい刺激を受け、それをお客様に還元させていただいています。
社内ミーティングは、口も指も動かす特殊なスタイル。自分の話をチャットで記録するのです。ミーティングが終わればチャット内容は即時社内に公開されます。専務も見るのでコンセンサスを取るのもスムーズです。
IT系企業は孤独に仕事するイメージですが、弊社のコミュニケーションは良い意味で“昔ながら”。
食事会が月に一度程度あり、そこには専務も参加しています。就職前は“専務とは遠い存在の人”というイメージでしたが、入社してみると違いました。
とても刺激的な人がすぐ身近にいるという印象です。
(取材/2019年9月)
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